2018年02月02日

2月2日(金)午後1時30分~3時30分 高次脳機能障害の子どもたちの未来が輝くように~ 講演会がありました。

今日[2/2(金)]の13:30~15:30まで宮崎県総合保健センター5Fで
太田令子先生による講演会がありました。

「高次脳機能障害の子どもたちの未来が輝くように
小児期発症者の実態と課題について―」

2時間、休憩のない長丁場でしたが、とてもわかりやすく
どう考えればよいかを示唆して下さる話でした。



まず、実態を詳しく説明されました。
 0歳~17歳のうち7歳、10歳の脳外傷(交通事故など)、脳血管(もやもや病、血管出血など)が多く、
脳炎、脳症は3、4歳に多く脳腫瘍、低酸素と続き全てにおいて男子に多い。
 

諸症状として
 記憶障害注意障害はどの年齢層においても8割以上が有する症状。
 易疲労性(脳が疲れやすい)は9歳以下の低年齢児の6割以上にみられる。
 ※遂行機能障害は20歳以上になると社会生活不適応の阻害要因として顕在化する。
 加齢(発達段階)とともに顕在化する障害が変化する。
 感情コントロールの低下は青年期に問題行動として顕在化する。

自己認識について
 私は変わっていない!動かない体!変わったのは私を取り巻く環境!と感じている。
 そして葛藤しながら今の自分に気づきそこから私を創っていく=敗北ではなく新たな人生のストーリーを創りだす。


学校性格
  小学校高学年以降思春期発症では、特別支援教育を選択することに抵抗がある。
  友人と離れたくないなど。

  復学後を通常級で過ごすと算数、英語が嫌いと答えた児が多い。
 学習についていけない。
 環境の目まぐるしい変化についていけない。(担任の変更、クラス替え、教室の移動、学校の変化、授業形式の変化、部活)
  成人期発症者に比べて発症後社会復帰(復学)までの時間が短い。
 ※通常級30人以上の学級集団は刺激過剰で疲れやすい。
 早く元に戻そうと周りは必死になるが、脳は疲れ果て逆効果になりストレスが溜まり混乱しやすい。
 
 大学中退者は健常者中退者の8倍(H24年度)



働くことの準備は自立へのスタートとして考える。
20歳を超えてから支援開始した者は全て離職経験者。

親の本人(当事者)の理解が大切。以前はこんな子だったのに、という理由づけを切替える。
「しない」から「できない」に気づくことで、しやすくするサポートが必要だと気づきやすくなる。



病気ではなく、障害は抱えながら生きていく覚悟がいる。
家族は最も身近な支援者、身近な環境、最も長く付き合う仲間。

・人は「変わりたい」と願っていれば、必ず変われる。
・支援の基本は、変わりたいと願っている当事者やその家族の思いをあぶりだすこと
・支援者は回答を出すことが仕事ではなく、当事者・家族の願いにあきらめることなくゆさぶりをかけること
・変わろうとする人に共感し感動する支援者はくじけそうな当事者・家族にはかけがえのない存在
  


Posted by あかり at 19:16Comments(0)