2012年03月13日

セラピスト向け研修会に参加して

先日開催のご案内を差し上げた「高次脳機能障がい研修会(セラピスト向け)」
に参加してきました。
このような専門家の方々の集まりに参加するのは、はじめての経験でした。
参加者は約70名と会場は満席に近く、若い男性も目立ち、
「高次脳機能障害」という障害への関心の高さ、を実感しました。
会場にあふれる真剣なまなざしが、静かな無言の意志として、伝わってくる。
『今担当している患者さんが少しでも良くなるために、
勉強がしたい。情報をお聞きしたい』
遠方ながら小林市からお見えの療法士さんもいらっしゃいました。


はじめに相談センターの岩切所長より、このようなごあいさつがありました。

・「宮崎県身体障がい者相談センター」は支援拠点機関に指定され、この春で3年目
・寄せられる相談は宮崎市を中心とした県央部在住者が多く、
今後は県内全般への啓発に力を入れていきたい
・「あかり」のご紹介(ありがとうございます)。会員の活動通し支援の充実に努めていきたい
・家族への支援に「認知リハビリテーション」は重要。この障がいは複雑多様かつ認知度も
決して高いとは言えない。現場(各医療機関)のご苦労お察ししつつ、取り組み感謝したい
・本日の研修会を通してこの障がいへのより一層の支援の充実がはかられることを期待する

相談センターのみなさまには、常日頃本当に真摯な取り組み、「あかり」へのあたたかなご支援
をいただいています。感謝を申し上げます。


講師のおふたりは20~30代とお若いながら大学病院でご活躍中であり、専門的な医学用語は
ちんぷんかんぷんでしたが、具体的でわかりやすいお話をして下さいました。

長い文章で難しいことばになりますが、お聞きしてきたことをまとめます。
興味がおありの文だけ、ところどころ読んでくださってもだいじょうぶです。
(書いている本人もちゃんとわかってはおりません)

1.講演1
「高次脳機能障がい支援~当院における取り組み~」
(宮崎大学医学部付属病院リハビリテーション部 作業療法士 中武 潤 氏)

(1)高次脳機能障がいの概要、国の取り組みの経緯など

・厚生労働省が平成13年度より実施した「高次脳機能障がい支援モデル事業」
→現在では支援対策の推進に活動の趣旨移行している
・日常生活または社会生活の制約、脳の器質性病変(ストレス、心身症発症など)
→セラピストがサポートする分野
・急性期の患者さん(受傷後1カ月など)の場合は高次脳機能障がいの治療の前に
意識障害等の回復を優先している。
<4つの認知障害について、特に>
・記憶障害
・注意障害には二種類ある(全般性注意障害、半側空間無視)
◎注意機能とは…持続性(一定の活動の間注意集中を継続する)、選択制、
転動性、多方向性(必要に応じて行動を切り替える)
・遂行機能障害
・社会的行動障害→『問題行動』、ととらえられる(大声を出したり暴力をふるったり、

自傷行為をしたり)↓
◎『問題行動』の原因→環境に適応できず、遂行機能障害・注意障害が困惑・不安感、

無力・抑うつ感を引き起こす
・訓練に際しては、患者さんの環境調整(家族へのアプローチ含む)が必要※家族へのケアも必要
◎国立身体障害者リハビリテーションセンターのHP内に
「高次脳機能障害情報・支援センター」サイトあり。本日の講演内容、こちらより引用されたとのこと
http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/explain/tebiki/pro_med.html

(2)宮崎大学医学部付属病院について

 1)検査入院
・県身体障害者相談センターより紹介→5日程度の入院。整形外科・脳外科・精神科医の診察
カンファレンス後診断
・MRI等画像検査も実施
・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士)が評価・報告・指導
・検査入院者数 平成22年度 10件、23年度 2件
・OT(※宮城県方式簡易高次脳機能障害チェック表使用)
・脳外傷者の認知鼓動障害尺度TBI-31→家族の日常のサポートの目安になる
・↑脳外傷以外のインフルエンザ脳症、低酸素症にも適用できる

 2)入院患者のリハビリテーション
・意識障害や通過症候群を考慮し、症状に対し不安を感じる言葉を避けたり、
「疲れたら教えてください」と声をかける
・訓練→患者・家族に評価結果定期的に知らせる、認知リハビリテーションの説明、
転院先への情報提供(急性期病院のため転院あり)
・症例に関する情報提供→数がまだ少ないため今後の課題
・心がけていること→継続的支援(日常生活に戻った後も。学校や地域社会へもアプローチ)、
実生活における具体的目標を立てる、連携施設との連絡
・リハビリテーション講習会、2010年より過去3回開催(※2011年は10月2日開催されました)
・上記講習会でのアンケート結果について(要望についての設問より)
◎当事者家族→高次脳機能障害の認定、就労支援の充実が多い
◎医療従事者→リハビリ等の充実、社会に対する啓発活動
→当事者家族と医療従事者、ニーズのずれがある
・日本脳外傷友の会にて「生活実態調査(H25)」実施※HPに報告書あり
http://npo-jtbia.sakura.ne.jp/about/pfizer/2010report.pdf#search='日本脳外傷友の会 生活実態調査'
・上記調査の考察→社会的理解や相談支援は前進したが、
訓練等具体的サービス提供への反映いまだ十分ではない
◎今後の附属病院の課題→高次脳機能評価の見直し、他施設との連携、
グループ訓練、リハビリテーションの効果判定

2.講演2
「高次脳機能障がい支援~当院における事例紹介~」
(宮崎大学医学部付属病院リハビリテーション部 作業療法士 永田 真哉 氏)

 1)事例1
・10代女性。学校生活がとても楽しい
・「行動記憶」を重点的にリハビリを試みている
・生活一部要介助
・出来ないことに対して両親に助けを求めることができる
・家の手伝い(洗濯物たたみ)できる。ゲームが好き

 2)事例2
・60代女性。復職を希望している
・コミュニケーションは会話レベル、行動は自立しており、運動の趣味がある
・記憶及び記銘力の低下。見落としがある
・パソコンの練習を訓練に取り入れている


最後に岩切所長、講師のおふたりと「行政・支援者(医療機関他)・『あかり』が
同じ歩幅で歩いていけるような、宮崎らしいモデルをひとつひとつ作っていきましょう」

とお話しました。


セラピストのみなさま、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



今週の家族会の講師は、この日の講師のおひとり、中武さんです。
障害は治らないから「障害」。これは現実で動かせない事実ですが、
「良くなる」ことはできる。「良くなりたい」と思うことはできる。
そんな気持ちをみんなで分かち合えるような会になればと思います。

ご参加、お待ちしております。


先日は二十四節気のひとつ、「啓蟄(けいちつ)」でした。
土の中で冬ごもりをしていた虫たちが春の訪れを感じ、
地上に這い出して来る日、だそうです。

「あかり」もすこしずつ、春のひかりに誘われて、
地上に這い出すことができますように。


カオリ


同じカテゴリー(活動報告)の記事画像
クリスマス会
なんとかお肉が焼けました!
打ち合わせをしながら懇親会
特製「あかりカレー」のできあがり
第2回家族会に参加して
同じカテゴリー(活動報告)の記事
 クリスマス会 (2014-12-24 08:34)
 鹿児島視察 (2014-12-15 16:53)
 なんとかお肉が焼けました! (2012-08-08 16:29)
 3月24日リハビリテーション研究会に参加して (2012-07-18 14:44)
 打ち合わせをしながら懇親会 (2012-07-10 14:43)
 特製「あかりカレー」のできあがり (2012-02-06 11:24)

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

<?=$this->translate->_('削除')?>
セラピスト向け研修会に参加して
    コメント(0)