2018年10月26日

H30年10月21日に公開講座がありました。②-2

 講演2は『高次脳機能障害の支援について』というテーマで、
福岡県障がい者リハビリテーションセンターのリハビリ専門医である永吉美砂子先生が講演されました。

永吉先生は、日頃の医師としての臨床経験を通して得た知見を、
当事者への支援家族への支援学校・職場・地域への支援という項目ごとに話してくださいました。

前半の高次脳機能障害の定義に関する部分は、
やや一般の方には難しいかなという印象もありましたが、
高次脳機能障害支援における課題やポイントは非常に明確でとても共感できるものばかりでした。

永吉先生は、○○障害は別においといて、どういう生活をしていくと良いかを考えること
具体的に
  1.より人間らしい成熟した脳
  2.自分にとって温かい居場所(家庭、職場とは限らない)があること
  3.どんな状況でも、喜びを見出して生きていけること
  4.生き物に愛情をかけられる性格で、たくさんの人から好かれ、寂しい思いをしない

また、前頭連合野(社会脳)の説明をされ、ここは
  ・自分の能力を人の為に使う部位
  ・問題解決能力の首座

ここは、人と関わることが大事で繰り返すことで成熟していく。
     道具を使って、人とコミュニケーションを行う。
     必ず集団、そして反省する=モニタリング

使わない脳は衰えていく!とおっしゃってました。



   当事者支援のポイントとして挙げられた
     
     〇障害像を明確にする
     〇自己認識ができるように進める
     〇感情コントロールができるようにする
     〇共同生活をする他者と良好な人間関係を保つことができる力を高める
     〇就労定着に重点を置く
     〇親亡き後のことまで考慮して支援する
   
   といった内容は、どれもなるほどと納得させられるのではないでしょうか。

   また、家族を個別にサポートする方法として、
   外来診察が挙げられていたのが印象に残りました。
   
   宮﨑には家族を集団でサポートする家族会(あかり)はありますが、
   高次脳機能障害を継続的に診てくださる医師についてはほとんど聞いたことがありません。

   福岡県障がい者リハビリテーションセンターのような退院後の訓練施設や
   永吉先生のような高次脳機能障害に精通した医師の存在をとても羨ましく感じました。

   高次脳機能障害はとても複雑で各一人一人症状が違うので、
   支援する側が大変だということは重々承知しています。

   しかし宮崎でも脳損傷後、本当に困っている方はたくさんいます。
   
   障がい者をすぐ就労させようと急がずに、
   まずは訓練施設を創りじっくりと納得いくまで実力や本人の自信をつけてから
   次に進むことができることが、ベストだと思います。
  
   福岡県障がい者リハビリテーションセンターのプログラムです。参考まで。

      ① ヨガ
      ② リズム体操
      ③ スポーツ
      ④ 水泳・水中歩行
      ⑤ 農園芸
      ⑥ 音楽
      ⑦ 木工
      ⑧ 写真
      ⑨ 認知
      ⑩ 旅行
      ⑪ インテリアア
      ⑫ 釣り
      ⑬ ステンシル


  


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2018年10月26日

H30年10月21日に公開講座がありました。②-1

 
 平成30年10月21日(日)の14時から、宮崎県総合保健センター5F大研修室において、
高次脳機能障害市民公開講座(第10回宮崎リハビリテーション講習会)が開催されました。

主催された宮崎大学医学部 整形外科・リハビリテーション部の皆様方、
毎年貴重な講座を行って頂きありがとうございます。
今回も大変勉強させてもらいました。

簡単に講演内容をお伝えします。



 講演1は、『私のリハビリテーション~障害解消に向けた当事者セラピストの9年~』というテーマで
三鷹高次脳機能障害研究所 所長の関啓子先生が講演されました。

 関先生は、高次脳機能障害を研究する言語聴覚士でありながら、
自ら2009年7月に左足の脱力にて発症した脳梗塞による高次脳機能障害を経験された当事者でもあります。
   
   講演ではその貴重な経験を踏まえ、
     
     〇脳梗塞を発症した時の様子
     〇出現した高次脳機能障害等の症状とその経過
     〇高次脳機能障害を抱えた時の気持ちとその移り変わり
     〇障害克服のために行ったリハビリテーションの内容
     〇回復を諦めない当事者や障害と共存する当事者の活動
     〇高次脳機能障害者支援のコツ
  
  を、詳細にそしてわかりやすく話してくださいました。

 今も談話の障害が残る中、事前に作成した原稿を読み上げるという方法で
違和感なく乗り切っておられました。

使命感に裏打ちされた、当事者や支援者のために全てをさらけ出すような姿勢には、
心が揺さぶられるような感動を覚えました。

心身機能の回復にとって、知識病識意識そしてが重要であるとの指摘は、
とても説得力に満ちていました。
 
時間が足りず、後半が駆け足になってしまったことだけが残念でした。
また別の機会にゆっくり聴いてみたいものです。

関啓子先生は、一般向けにも著書を執筆されておられますので、ぜひ手に取ってみられることをおすすめします。

      

           『 まさか、この私が 』

               
        自ら体験した突然の脳卒中発症から

        職場復帰までを記した記録。

                     一般向け                 





                                                                                           
      『「話せない」と言えるまで』


        失語症など高次脳機能障害の専門家である著者が

        脳梗塞で倒れてからの自らの体験を専門家ならではの

        科学的な分析を交えて纏めた。

                      医学向け


  


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